A 型肝炎 「概要」
A型肝炎は人から人へ感染しやすいA型肝炎ウィルスによる肝臓の感染症です。他の型のウィルス性肝炎ほど深刻ではないにも関わらず、A型肝炎は肝臓能力に炎症を引き起こして、その機能に影響を与えます。
A型肝炎に最もよく伝染するのは、汚染された食べ物や水、すでに感染している人との接触で、感染しているように見えない人との接触でも発症する場合もあります。感染していてもその兆候や症状が現れることはない人もいれば、ひどいインフルエンザにかかったような症状を起こす人もいます。
軽度のA型肝炎の場合は、治療を必要とせず、ほとんどの感染者は肝臓に永続的な損害を受けることなく完全に回復します。B型肝炎やC型肝炎と違って、A型肝炎は慢性的な肝炎や肝硬変などの命に関わるような病気に発展することはありません。
手洗いをよく行うなどの ウィルス予防策の習慣を身につけることはA型肝炎ウィルスを防ぐ最も良い方法です。危険にさらされている人には効果的なワクチンが利用できます。
B型肝炎 「概要」
B型肝炎はB型肝炎ウィルスによって引き起こされる深刻な肝臓の感染症です。人によっては感染が慢性的になることもあり、肝不全、肝臓ガンや肝硬変などの永続的に生命を脅かす肝臓の病気を引き起こす原因になることもあります。
B型肝炎ウィルスは、エイズを引き起こすヒト免疫不全ウィルスが広がるのと同じように、血液や感染者の体液との接触で感染します。そして、B型肝炎はHIVウィルスに比べて100倍も感染しやすいとされています。
静注薬物を使用し、注射針やその他の見の回り品を共有している場合、避妊せずに性交渉をしている、またはB型肝炎が広まっている国で生まれたか旅行した場合は特別に感染の危険性があります。それに加えてB型肝炎ウィルスを持っている女性は、子どもを出産時、赤ちゃんに感染する可能性もあります。
大人になってB型肝炎に感染したほとんどの人は、たとえ兆候や症状が深刻であっても完全に回復します。赤ちゃんや子どもの場合はそれに比べてもっと慢性的になりやすいのです。B型肝炎を根治する方法はありませんが、ワクチンで病気を予防することが可能です。すでに感染している場合は、特定の予防策をとることにより、B型肝炎が他の人に広がるのを防ぐことができます。
C型肝炎 「概要」
世界中の人々のおおよそ3パーセントは肝臓を徐々に脅かしていくウィルスを持っています。ほとんどのC型肝炎の感染者は全く症状が現れません。実際に、ほとんどの人は数十年後に日常的な医学検査の最中に症状が現われるまで、自分が感染していることを知らないのです。
C型肝炎は確認されている6つの肝炎ウィルスの一つです。その他はA、B、D、E、Gです。どれも肝臓に炎症を引き起こして、肝臓機能を妨げます。C型肝炎は一般的にこれらのウィルスの中でもっとも深刻なものと考えられています。
長期間をかけて、 潜在的に、そして不可逆的に肝臓にとって命取りになるC型肝炎は、肝臓がん、肝硬変、肝不全を引き起こす可能性があります。エイズを引き起こすHIVウィルスと違ってC型肝炎は通常、性交渉で感染するわけではありません。主に薬物使用者や輸血などで針を共有した際に、汚染された血液を介して感染します。
A型肝炎とB肝炎にはワクチンが存在するにも関わらず、C型肝炎にはワクチンがまだ出来ていません。研究者はウィルスの成長を止めて、肝硬変やガンなどの長期の合併症を予防するための医薬品の開発を行っているところです。
アルコール性肝炎 「概要」
アルコールは肝炎などの肝臓障害と関連があるとされてきました。しかし、飲酒とアルコール性肝炎の関係は複雑です。酒量が多い人でもほんのわずかな割合の人しかアルコール性肝炎を発症しなかったり、逆にほとんど飲まない人でもアルコール性肝炎を発症したりします。さらにアルコール性肝炎を発症しても飲酒をやめれば回復する人がいますが、飲酒を続けると肝硬変や肝不全などに発展する可能性があります。その場合、アルコール性肝炎は命にかかわる疾患となります。
研究者はアルコール性肝炎の発症に関して研究を続けていますが、有効な治療法に関してはあまり多くはわかっていません。アルコール性肝炎を発症したら飲酒や他の肝臓に害を与えるものの摂取をやめることが第一です。肝臓の機能が低下、停止するほどの損害を受けているのでしたら、肝臓移植も選択肢の一つとなるでしょう。
ジルベール症候群 「概要」
ジルベール症候群は一般的で、比較的軽度な肝臓の病気です。肝臓がビリルビンと呼ばれる赤血球細胞を分解した物質を適切に分泌しなくなります。非胞合性良性ビリルビン血症、家族性非溶血性黄疸と呼ばれることもあります。ジルベール症候群は特に治療を必要とせず、深刻な合併症を引き起こすこともありません。
実際、ジルベール症候群は良性であるので病気とは考えられていません。自分がジルベール症候群であるとわかるのは、偶然、血液検査でビルビリン値が異常を示したときです。
アメリカでは、3%から10%の人がジルベール症候群であるといわれています。女性より男性のほうが多いです。
中毒性肝炎 「概要」
肝臓は、食物や水分、空気を吸い込んだときや、皮膚などから体内に侵入してきた毒を無害化する重要な役割を果たしています。しかし、ある種類の薬などは肝臓でも無毒化できません。肝炎は、ある薬物や毒キノコなど、肝臓では無害化できない毒によって肝臓がダメージを負い、その結果、肝臓で炎症を起こす症状のことです。
中毒性肝炎は、毒素が体に入ってから数時間、または数日で症状が現れることがあります。また、毒が入ってから数ヶ月は症状が現れないということもありえます。中毒性肝炎は毒が体の外に排出されれば改善します。しかし、中毒性肝炎はずっと肝臓を傷め続ける場合もあり、肝臓をだめにしてしまうということもあります。
原発性胆汁性肝硬変 「概要」
体内には胆汁を運ぶために特別にデザインされた管が複雑なネットワークを形成しています。胆汁とは肝臓が生産する液体のことです。胆汁は脂肪を適切に消化したり、体内から消耗した赤血球、コレステロール、有毒金属となりうる物質を取り除いたりするために必要です。原発性胆汁性肝硬変を発症すると、胆管がゆっくりと損傷し、有害物質が肝臓に蓄積され、時には肝臓の細胞に不可逆的な瘢痕(肝硬変)を残してしまうこともあります。
原発性胆汁性肝硬変は体が自分自身の細胞に立ち向かってしまう自己免疫疾患であると考える専門家はたくさんいます。原発性胆汁性肝硬変はゆっくりと進行します。もし治療を初期段階ではじめることが出来れば、投薬治療によって進行の速度を遅くすることが出来ます。進行した原発性胆汁性肝硬変は命に関わる肝臓の合併症を引き起こす可能性もあります。そのような場合は、肝臓移植が寿命を延ばすための1つの選択肢となります。
肝硬変 「概要」
肝硬変は肝臓に不可逆的な瘢痕を起こす症状です。瘢痕組織が通常細胞に置き換わるにつれて、肝臓内の血流が影響を受けます。そのことによって、有害物質を無害化したり、血液を浄化したり、必要不可欠な栄養素を生産したりする肝臓の働きが著しく制限されます。
肝硬変が初期段階で徴候を示すことはほとんどありません。しかし、肝臓の機能が悪化するにつれて、疲労、消耗感、吐き気、体重減少、脚や腹部の腫れなどが起こります。黄疸(皮膚が黄色くなり目が白色になること)や激しいかゆみが生じることもあります。
アルコール依存症やC型肝炎ウイルスによる慢性感染症が肝硬変の主な原因です。しかし、胆管の損傷、免疫システムの障害、環境有害物質に長期間さらされることなどによって、肝硬変が引き起こされる場合もあります。
肝硬変による肝臓の損傷は不可逆的ですが、肝硬変は通常ゆっくりと進行するため、症状をコントロールすることは可能です。治療の方針は肝硬変の原因によって変化しますが、肝硬変の人はアルコールやその他肝臓に影響を与える物質を避けなければいけません。損傷が深刻になり肝臓の機能が大きく阻害された場合、肝臓移植も選択肢の一つとなります。
肥大肝 「概要」
肝臓は多くの重要な機能を担っています。例えば、食物の消化を助けたり、体内から有害な物質を除去したりするなどです。通常、大人の肝臓は小さなラグビーボールぐらいの大きさです。しかし、時に肝臓が肥大化することがあります。それが肥大肝で、肝腫脹、肝腫大とも呼ばれます。
肥大肝は病気ではありません。肝臓炎、うっ血性心不全、がんなどの病気の兆候となることがあります。
肥大肝の治療はその原因によって変わります。
胆のうがん 「概要」
肝臓で分泌された胆汁を一時貯留しておく胆のうにできるがんを胆のうがんといいます。
初期症状はほとんどありません。実際、初期状態の胆のうがんが見つかるのは、胆石治療のために堪能を除去した際にしばしば見つかるくらいです。そして、胆のうがんと診断された際には急速に進行している場合がほとんどです。
胆のうがんを早期に発見した場合は、胆のうもしくは胆管の一部を除去し、すべてのがん細胞を切り離す必要があります。進行している場合は、治療によって胆のうがんを根治することよりも、症状を緩和しQOL(命の質)を高める治療を行うことが助けとなります。


