眼圧と呼ばれる眼の内圧は、眼の形と機能を正しく保つためにあります。眼圧は風船の中の空気みたいなものです。風船の中に圧力がかかり過ぎるとその形に影響を与えて最後は割れてしまいます。眼の場合、圧力がかかり過ぎると視神経に損傷を与えます。
眼の中の液体は眼圧を維持する働きがあります。この液体は、眼の後部分の硝子体腔を満たしているガラス質のものと、眼の前部分にある前房を満たしている房水があります。房水は絶えず作られており、眼から流れる前に、前房を通じて循環しています。この継続した液体の流れは、レンズや角膜に栄養分を与えて、異物を取り除きます。健康的な眼は、流れ出る液体と同じ割合で房水を作り出して、通常の眼圧を保っています。
房水は、虹彩と角膜が交わってできる場所に位置する排出管(隅角を通って出ています。この場所で、房水は小柱網と呼ばれるスポンジのような組織を通ってシュレム管と呼ばれる通路へと流れ込みます。液体はその後、血流に吸収されます。
排水組織が正常に機能しない場合、例えば小柱網の詰まりなどが起きた場合、房水は通常の割合で不純物などをろ過して取り除けないので、眼に圧力を加えるようになります。医師がこの状況を完全に把握することができなければ、眼圧の上昇によって視神経を形成している神経線維が徐々に損傷を受けるようになります。
慢性開放隅角緑内障とも呼ばれています。割合としてはもっとも多く見られるタイプの緑内障です。角膜と虹彩の間にある排出管(隅角)は開いているのですが、房水の流れ出るのはとても遅くなります。そのため、液体が逆流したり、眼の中に徐々に圧力が加わります。視神経への損傷はとてもゆっくり進むので、痛みがなく、病気に気付く前に視界の大部分は失われてしまいます。
原発性開放隅角緑内障の正確な原因はわかっていません。加齢とともに房水の排出や吸収があまり効果的に行われなくなりますが、全ての大人がこの緑内障になるわけではありません。40歳以上のアメリカ人の2%は眼圧が高くなっています。70歳以上のアメリカ人では8%に上ります。
閉塞隅角緑内障は珍しい病気です。このタイプは発症してから一日以内に視力を失う可能性があり、緊急治療が必要な病気です。
閉塞隅角緑内障は角膜と虹彩で作られた排出管(隅角)が閉じてしまう、もしくは詰まってしまうと発生します。閉塞隅角緑内障の人は、出生時から排出管(隅角)が異常に狭いことが多いです。成長するにつれて水晶体が大きくなり、虹彩を前方に押し出して角膜と虹彩の空間が狭くなります。
排出管(隅角)が異常に狭いのが、生まれつきでも加齢に伴うものでも、狭くなるにつれて虹彩は小柱網に近くなります。近くなり過ぎると、小柱網を通って排出することができず、液体が溜まって眼圧が上がります。
閉塞隅角緑内障は慢性(徐々に進行)の場合もあれば、急性(突然発症)の場合もあります。急性の時は、虹彩が小柱網まで上昇し、完全に房水の排水を妨害します。
閉塞隅角緑内障は遠視の人に多く見られます。また、加齢によっても排出管の詰まりが起きる可能性が高まります。
もし排出管(隅角)が狭く、瞳孔が横に広がっているなら、排出管(隅角)が完全に閉じることが原因で、突然の眼圧の上昇が起こるかもしれません。急性閉塞隅角緑内障は直ちに治療が必要です。通常、急性閉塞隅角緑内障の発症は片眼にしか起こりませんが、もう片方の眼も発症するリスクは十分にあります。
瞳孔が開くのにはいくつかの要因があります。それは暗闇、薄明かり、ストレス、興奮、特定の投薬治療です。抗ヒスタミン薬、三環系抗うつ薬や点眼薬などの投薬治療によって瞳孔が開きます。
開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障は原発性の病気だったり二次性(続発性)の病気だったりします。緑内障の原因が分かっていない時は原発性と言われます。緑内障の原因が、怪我や眼の病気など特定されていれば、二次性と呼ばれます。二次性緑内障はさまざまな病状、投薬治療、身体の怪我、眼の異常な変形によって引き起こされます。まれに眼の手術の結果、二次性緑内障が引き起こされることもあります。
低眼圧緑内障はほとんど知られていない珍しい病気です。低眼圧緑内障では、人並みに正常と思われている範囲内で眼圧が留まりますが、視神経は損傷しています。なぜ低眼圧緑内障が起こるかはわかっていません。
専門家の中には、低眼圧緑内障の人はアステローム性動脈硬化症などの病気が原因で、異常に敏感な視神経を持っていたり、視神経に届く血流が少なかったりすると考えている人もいます。そして、この状況下では、通常の視神経への圧力でも損傷が与えられる可能性があります。
医師は緑内障に潜んでいる原因を完全に理解している訳ではありません。緑内障は眼圧の増大が大きく関係していますが、眼圧が正常か低い人でも失明する可能性はあります。通常よりも高い眼圧の人でも、視神経の損傷が起きない人もいます。